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一回の食事で筋肉の合成を最大に高める:タンパク質はどれだけ必要?

高齢になっても筋肉を維持し、健康的に生活するための食習慣として、タンパク質はどれくらい必要なのでしょうか?

以前のブログでも説明しましたが、1日のトータル(3食の合計)のタンパク質量だけでなく、一食一食のタンパク質の摂取やタンパク質の配分に気を使うことが重要です。

では具体的にどれくらいのタンパク質を1回の食事で摂取すれば、食後の筋肉の合成を最大に高めることができるのでしょうか?

キーポイント

高齢者の筋肉の合成を最大に高めるタンパク質の摂取量は体重あたり 0.4g

 

朝食のタンパク質摂取に気をつけよう

Mooreらの研究では、タンパク質の摂取量とタンパク質の合成速度にはタンパク質の摂取量に依存して増加しますが、筋肉の合成速度の増加には上限があり、平均して体重あたり0.4グラムのタンパク質が高齢者の筋肉の合成を最大に増加することを報告しています。

これは体重60キロの高齢者の場合は1回に摂取するタンパク質の量が24グラムとなります。

筋肉の合成速度はタンパク質の摂取量に依存して増加します(下図)。高齢者の場合は体重あたり0.4グラムでほぼ最大値に到達します(*注1)。

 

高齢者は朝食のタンパク質が不足しがちですので、特に朝食のタンパク質の摂取量には気を遣う必要があります。

立命館大学スポーツ健康科学研究科の吉居尚美先生に作成して頂いた、朝食の献立とタンパク質摂取量を下図に示しています。

 

特に動物性タンパク質の中でも乳製品(ヨーグルトなど)は高品質なタンパク質で、かつ洋食・和食のどちらでもあわせやすく朝食として取り入れやすいのではないでしょうか?

サルコペニア予防のためにも、今日から朝食の摂り方について見直してみましょう。

 

(*注1)この値は運動後ではなく、安静状態における摂取量です。同じ研究において、若年者は0.24グラムのタンパク質の摂取で筋肉の合成速度が最大化されています。つまり加齢と共にタンパク質(あるいはアミノ酸)に対する筋肉の合成能に関わる感受性が低下していることを示唆しており、高齢期におけるタンパク質摂取の重要性がこの研究からも明確に示されています。

また、この研究で用いられているタンパク質は高品質のタンパク質(ホエイと卵タンパク質)であり、通常の食事に換算した場合、同じ効果を得るためにはより多くのタンパク質を摂取する必要性も示唆されます。

 

参考文献:

  • Moore, D.R., et al., Protein ingestion to stimulate myofibrillar protein synthesis requires greater relative protein intakes in healthy older versus younger men. J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 2015. 70(1): p. 57-62.
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