サルコペニア予防には筋トレしかない
今回のPOINT!
サルコペニアの予防にはウォーキングは不十分。筋トレを始めよう!
有酸素性運動は日常生活で無意識に実施できるが、筋トレは意識的な実践が必要
ここからはより詳細を知りたい方のみ閲覧下さい
一般的に、「運動とは?」という質問に対して、多くの方はウォーキングやジョギングを連想するのではないでしょうか?これらの運動は、心肺機能の改善や糖尿病患者の血糖コントロールの改善など、様々な健康増進への効果が期待できます。ウォーキングやジョギングは”有酸素性運動”と呼ばれています。
それに対して、”レジスタンス運動(筋トレ)”は、より強い負荷を筋肉に与えることで、筋肉が大きな力を発揮するような運動を指します(表1)
有酸素性運動は筋トレと比較して、筋肥大を引き起こすのに必要な負荷(筋肉への加重、例えばダンベル運動の場合はどれくらいの重さのダンベルを使って運動するか)が少ないため、筋肥大(筋肉量の増加)を引き起こすのには不十分です。
つまり、平坦な道での緩やかなウォーキングではサルコペニアを予防することはできません(注1)。
筋を肥大させるためには、平均的な日常動作以上の力発揮(例えば重い荷物を繰り返し持ち上げるなど、”ちょっとキツい”と感じる動作など)を行うことが必須となります。
通常よりも強い負荷を筋肉にかけることで初めて、”この力を発揮し続けるためには筋肉を強く大きくしなくては!”という筋肉の適応(筋肥大)を引き起こすことができるのです。
(逆に寝たきり等で筋肉を使わないと、”寝てばかりの生活には必要ない”と判断されて、筋肉が減少してしまうのです)
実はこの”ちょっとキツい”という感覚は、筋トレを実施においてとても重要で、そのトレーニングが効果的になるかどうかを決定する最も重要な要因の一つになります。
日常生活の基本動作の実施には最低限の筋力があれば良いので、通常は無意識のうちに筋トレをしていることはほとんどありません(表2)。
*オフィスワークを中心とした仕事の場合。長時間の座位と健康被害については過去ブログ(”不活動の健康被害と運動効果”)をご覧下さい。
毎日の生活の中で、有酸素性運動を実施することはあっても、筋トレのような”ちょっとキツい”力発揮をする機会はないのです。
つまり、サルコペニアに向けた筋トレは意識的に実践しなくてはできない運動なのです。
筋トレの実践についてはまた別の機会にブログでご紹介します。
注1:ただし、早歩きと通常歩行を繰り返すインターバル速歩や、上り坂のウォーキング、登山など、下肢への負荷を増加させることで、有酸素性運動でも下肢の筋肉量の増加が一部報告されています。
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